【3代目(多分)『IMAGINE』の調査】

とりあえず比較対象は以下、これだけでも多すぎるのでベスト盤などのリマスターは割愛!
  1. 初代(88年):アナログ盤のCD化
  2. ("IMAGINE 1988")
  3. 2代目(2000年):ミレニアム企画のリミックス
  4. ("IMAGINE 2000")
  5. 3代目CD1:今回のリミックス
  6. ("IMAGINE 2018 Disc 1")

※以降のリンクで曲を再生できますが、アルバム名が『IMAGINE』だけでは区別できませんので、年と"Disc 1"を加えてください。

曲目リスト

Imagine
Crippled Inside
Jealous Guy
It's So Hard
I Don't Wanna Be A Soldier Mama
Gimme Some Truth
Oh My Love
How Do You Sleep?
How?
Oh Yoko!


Imagine

曲紹介
8トラック・テープの内、7トラックだけを使ってバンド演奏を録音している。残る空きトラックにストリングスを録音したのかと思いきや、別テープにステレオでリダクションしてから、バイオリン(2トラック使用)、ビオラ、チェロ、コントラバスを別トラックに分けて録音している。従って今回のリミックスでは8トラック・テープ2本を同期させていることになる。

3世代のステレオ・バージョンは定位はほぼ同じだが、最も異なっているのはベースの扱いである。ジョンにはポールの影響があるのか、時代背景なのかオリジナル・バージョンはベースが大きめにミックスされている。2代目(2000年)ではキック(ドラムス)と同程度になり、今回はキックの補助的な扱いに聴こえるほど音量が下がっている。
その他、確実に差があるのは1'50"の"be as one"で、初代(88年)だけ音量が下がる。これはセカンド・ボーカルを使ってなかったためで、この辺りにはジョンが意図した何かがあるのかも知れない。
‘Imagine’
聴き比べ表
IMAGINE 1988
IMAGINE 2000
IMAGINE 2018
Disc 1
0'00"
0'00"

0'13"~:右のピアノがボーカルより大きめ
0'13"~:メイン・ボーカルにエコー
0'00"

0'00"~:ピアノにディレイ
0'13"~:メイン・ボーカルが大きめ
0'00"

イントロのピアノ・リフ2回の音量が小さい
0'13"~:メイン・ボーカルが小さめ(ADT風)
0'30"
0'30"

0'38"~:ドラムスにディレイ
0'39"~:ベースが大きめ
0'52"~:ストリングスが左寄り
0'30"

0'38"~:シンバル類にディレイ
0'30"

0'39"~:ベースが小さめ
0'52"~:ストリングスが右寄り
1'00"
1'00"
1'00"
1'00"
1'30"
1'30"

1'50"の"be as one"が小さい
1'30"
1'30"

1'50"の"be as one"はセカンド・ボーカルが大きめ
2'00"
2'00"
2'00"

2'20"(サビの最初の1小節)で右のピアノが大きい
2'00"
2'30"
2'30"
2'30"
2'30"


『IMAGINE 1988』 比較音源 『IMAGINE 2018 Disc 1』
『IMAGINE 2000』 比較音源 『IMAGINE 2018 Disc 1』

その他の‘Imagine’

Crippled Inside

3世代のステレオ・バージョンはほぼ同じ定位だが、スネアの扱いに特徴がある。と言ってもスネアが別録音されている訳ではなく、アラン・ホワイトが叩くドラムスがトラック2のみに入っていると資料には記されている。
従って、唯一のドラムス・トラックからスネアを抜き出して高音域を強調しているのは確定できる。2000年バージョンではこの音が左に配されているが、2018バージョンではスネア本体の音も強調してセンターに重ねている。

70年代は未だドラムスの時代ではなく、その後、ドラムスを基準にしたミキシングになっていく変遷を確認できる。
もっとも、ジョンはギター・サウンド中心でリズム・セクションは軽めな曲調をイメージしていたようにも思えるが。
なお、オリジナル・バージョン(1988)とミレニアム・バージョン(2000)ではイントロのギターにエコーを掛けている。特に前者はスネア2発の直後(0'12.5")に編集跡があることから、ミキシング後に部分的な差し替えが行われたものと推察される。
‘Crippled Inside’
聴き比べ表
IMAGINE 1988
IMAGINE 2000
IMAGINE 2018
Disc 1
0'00"
0'00"

0'00"~0'12":イントロのギターにエコー
0'12"~:ベースとスネアが小さめ
0'00"

0'00"~0'12":イントロのギターにディレイ
0'12"~:スネアのスナッピーが左に配されている
0'12"~:ベースが大きめ
0'18"~:ボーカルにディレイ
0'00"

0'12"~:スネアを抜き出して音量を上げており、スナッピーの音が響くようになっている
0'30"
0'30"
0'30"
0'30"
1'00"
1'00"
1'00"
1'00"
1'30"
1'30"

1'33":間奏のピアノで1回目のトリルだけ音量が下がる
1'30"
1'30"
2'00"
2'00"
2'00"
2'00"
2'30"
2'30"
2'30"
2'30"
3'00"
3'00"
3'00"
3'00"
3'30"
3'30"
3'30"
3'30"


『IMAGINE 1988』 比較音源 『IMAGINE 2018 Disc 1』
『IMAGINE 2000』 比較音源 『IMAGINE 2018 Disc 1』

その他の‘Crippled Inside’

Jealous Guy

曲紹介
原曲はビートルズ時代の“Child Of Nature”で、ポールの“Mother Nature's Son”と同様にマハリシの講義で聞いた"I'm Just A Child Of Nature."というセリフが基になっている。

1'10"からドラムスが入ってくるが、2018バージョンではドラムスが小さめで、かつ、このタイミングでピアノも小さめになる。ボーカルとベースがデュエットするようなバランスになっており、ジョンのミキシングというよりも70年代のWINGSを彷彿させる。
‘Jealous Guy’
聴き比べ表
IMAGINE 1988
IMAGINE 2000
IMAGINE 2018
Disc 1
0'00"
0'00"
0'00"

0'18":"past"の直後からアコースティック・ギターが入ってくる
0'00"
0'30"
0'30"
0'30"

0'31":"lose control"のWトラックが大きめ
0'30"
1'00"
1'00"
1'00"

1'10"~:ドラムスとピアノが小さめなのは2018版と同様だが、1'10"(1拍目)のキックは2018版より大きい
1'00"

1'10"~:ドラムスとピアノが小さめ
1'30"
1'30"
1'30"
1'30"

1'50"付近:ドラムスの音量が上がり、それに合わせてボーカルとベースの音量も上がる
2'00"
2'00"

2'01":"I'm just a jealous guy"が弱々しい
2'00"
2'00"

2'01":"I'm just a jealous guy"で音量が更に上がっている
2'30"
2'30"
2'30"
2'30"

2'55":"I'm just"前のシンバルが大きめ
3'00"
3'00"

3'26":"I was swallowing"(2拍目)に編集跡(以降は別ミックスを繋いだ可能性)
3'00"

3'03":"I was"前のシンバルが大きめ
3'05":"try"のタイミングでベースを足している
3'00"
3'30"
3'30"
3'30"

3'40":"I'm sorry"前のシンバルが大きめ
3'30"

3'44":"I didn't"前のシンバルが大きめ
4'00"
4'00"
4'00"
4'00"


『IMAGINE 1988』 比較音源 『IMAGINE 2018 Disc 1』
『IMAGINE 2000』 比較音源 『IMAGINE 2018 Disc 1』

その他の‘Jealous Guy’

It's So Hard

0'36"~0'47"("but it's so ~ down")でボーカルがWトラックになるが、2018版はメイン・ボーカルが逆になっているのでボーカルの印象が変わっている。ボーカルのWトラックについては資料に記載がないので、テープを調べればもっと隠れた秘密があるのだろう。
オリジナル(1988盤)の1'12"~1'52"(サビから間奏)にはミックスをやり直したらしき編集跡がある。
‘It's So Hard’
聴き比べ表
IMAGINE 1988
IMAGINE 2000
IMAGINE 2018
Disc 1
0'00"
0'00"
0'00"

0'00"~:右のギターが大きく、センターのギターと左のピアノが小さめ
0'20"~0'25":センターのギターのアルペジオだけ左に移動
0'00"

0'00"~:ギター、ブラス、ボーカルが大きめ
0'30"
0'30"
0'30"
0'30"

0'36"~0'47":"but it's so ~ down"のメイン・ボーカルが逆
1'00"
1'00"

1'12":間奏前のサビの"When it's"のタイミング(4拍目)に編集跡がある
1'00"

1'00":"but it's so hard"が原音のみ
1'12"~1'21":サビでWトラックとなるボーカルのバランスが違う。
1'17":"hoo"
1'00"

1'00":"but it's so hard"にディレイ
1'12"~1'21":サビでWトラックとなるボーカルのバランスが違う。
1'17":"hoo"
1'30"
1'30"

1'52":間奏の最後で"You got"前に鳴るベースのタイミング(3拍目裏)に編集跡がある
1'30"

1'31"~1'52":タンバリン(間奏)
1'30"
2'00"
2'00"
2'00"
2'00"

2'20":最後にギターをスライドさせている音が控えめ


『IMAGINE 1988』 比較音源 『IMAGINE 2018 Disc 1』
『IMAGINE 2000』 比較音源 『IMAGINE 2018 Disc 1』

その他の‘It's So Hard’

I Don't Wanna Be A Soldier Mama I Don't Wanna Die

オリジナルではリード・ギターにエコーを掛けて左に配している他、センターのボーカルにもエコー(あるいはディレイ)が掛かっている。2018版ではこれらが排除されているため全体的にクリアな印象がある。

加えてオリジナルには0'03"(スネア前)と5'35"("oh no"の直前)に編集跡がある。前者はイントロのギター部分であるためエコー効果の差し替えが目的と思われる。後者では2018版より"oh no"が大きくなっている事から、当時はこの迫力を増すように5'35"以降を再ミキシングして差し替えたと思われる。

2000版は極端にボーカルが大きい。恐らくミレニアム・バージョンでもYokoさんのリクエストは同様(ジョンのボーカルを活かす)だったのだろう。ただ、やり過ぎて振り切っていたために今回はオリジナルに揺り戻している印象である。
‘I Don't Wanna Be A Soldier Mama’
聴き比べ表
IMAGINE 1988
IMAGINE 2000
IMAGINE 2018
Disc 1
0'00"
0'00"

0'00"~:ディストーション・ギターにエコー
0'03":スネア前にテープ編集跡
0'03"~:リード・ギターが小さめ
0'15"~:ボーカルにエコー
0'00"

0'00"~:ディストーション・ギターにエコー
0'15"~:ボーカルが極端に大きめ
0'00"

0'00"~:ディストーション・ギターとボーカルのエコーが控えめ
0'03"~:リード・ギターとベースが大きめ
0'30"
0'30"
0'30"
0'30"
1'00"
1'00"
1'00"
1'00"
1'30"
1'30"
1'30"
1'30"
2'00"
2'00"
2'00"
2'00"
2'30"
2'30"

2'41":"hey"の直前に編集跡
2'42"~:左のブラスにエコー
2'30"

2'42"~:左のブラスのエコーはほぼ排除
2'30"

2'42"~:左のブラスのエコーが控えめ
3'00"
3'00"
3'00"
3'00"
3'30"
3'30"
3'30"
3'30"
4'00"
4'00"
4'00"
4'00"
4'30"
4'30"
4'30"
4'30"
5'00"
5'00"
5'00"
5'00"
5'30"
5'30"

5'35":"oh no"のタイミングに編集跡
5'35":"oh no"が大きい
5'30"

5'41"~:左右のブラスのロング・トーンが大きめ
5'30"
6'00"
6'00"
6'00"
6'00"


『IMAGINE 1988』 比較音源 『IMAGINE 2018 Disc 1』
『IMAGINE 2000』 比較音源 『IMAGINE 2018 Disc 1』

その他の‘I Don't Wanna Be A Soldier Mama I Don't Wanna Die’

Gimme Some Truth

添付された資料によると、ベースはWトラックで録音されている一方、ボーカルは1トラックのみとなっている。それにも関わらず全ての比較音源でボーカルに相違があることから、Wトラック・ボーカルの作り方による相違が本曲の重要ポイントであることが推察できる。

根本的な要因はジョンの慣れ親しんだビートルズ流のWトラック効果に依る。これにはエンジニアであるフィル・マクドナルドの影響も大きいと思われるが、ADTでWトラック効果を作る際に原音よりディレイ音を大きくしていた。本曲のオリジナル・バージョン(『IMAGINE 1988』)もその手法となっている。

現在のWトラック効果では遅延が生じないらしく、その差が比較音源で顕著になっている。
『IMAGINE 2000』以降のリミックスでは音がクリアになっているものの、ボーカルの遅延が無くなって軽い印象になっている。『IMAGINE 2018(Disc 1)』ではそれをやや改善してオリジナルに近づけた感がある。
Gimme Some Truth
‘Gimme Some Truth’
聴き比べ表
IMAGINE 1988
IMAGINE 2000
IMAGINE 2018
Disc 1
0'00"
0'00"

0'00"~:音が霞んでいる
0'00"~:ボーカルが最も遅延している
0'00"

0'00"~:音がクリア
0'00"~:ボーカルの遅延は無く、大きく前面に出ている
0'00"

0'00"~:音がクリア
0'00"~:ボーカルを遅延させて音量も抑え気味に戻している
0'00"~:セカンド・ベースが大きめ
0'30"
0'30"
0'30"
0'30"
1'00"
1'00"
1'00"
1'00"
1'30"
1'30"
1'30"
1'30"
2'00"
2'00"
2'00"
2'00"
2'30"
2'30"
2'30"
2'30"
3'00"
3'00"
3'00"
3'00"


『IMAGINE 1988』 比較音源 『IMAGINE 2018 Disc 1』
『IMAGINE 2000』 比較音源 『IMAGINE 2018 Disc 1』

take 4take 4 - extended
DISC 2は当時(71/5/25)のモノミックスで、レコーディング直後に作業結果を確認するためにミキシングしていたものである。モノラルでミキシングされており、ビートルズ時代ならこれでアセテート盤を作成していただろう。
ただし、収録されているのは元のモノラル・テープのギター(アルペジオ)を補強してステレオ音像にしたもののようである。

extendedの方(DISC 3)はロング・バージョンなのかと思いきやDISC 2と本編の長さは同じで、リリース・バージョンに対する「extended」である。 DISC 2とは最初の会話とボーカルが所々別テイクになっているが、これは3日後に行われたボーカルの差し替えによるものである。ミキシング自体は今回のリミックスのタイミングで行われているためステレオミックスになっている。
ここでの分かり易い違いは、最初のサビで"pocketful of soap"(DISC 2)となっていたのを"hope"に変えている点である。つまり歌唱を変えたのではなく歌詞を変えるのが目的だったと思われる。

Take 4 - extened
『IMAGINE 2018 Disc 3』
比較音源 Take 4
『IMAGINE 2018 Disc 2』

0'00"~0'05":会話が別テイク(5/28)
0'09"~:ドラムスをリズムギターに差し替え
0'09"~0'19":ボーカル差し替え
0'37"~0'53":ボーカル差し替え
0'57"~1'24":スライドギター追加

0'00"~0'03":5/25の会話


アウトテイクとリリース版のボーカルは0'15"までが別テイク(0'40"前後のサビも)、"just"以降で同じテイクとなる。リリース版のボーカルは原音が小さめなので比較音源では左寄りに聴こえている。リリース版で主となるボーカルは右で聴こえているディレイ音である。
Take 4
『IMAGINE 2018 Disc 2』
比較音源 『IMAGINE 1988』


2018リミックスのボーカルは原音も大きいので比較音源ではセンターで聴こえている(ディレイ音は右で同音量で聴こえている)。
Take 4
『IMAGINE 2018 Disc 2』
比較音源 『IMAGINE 2018|Disc 1』

その他の‘Gimme Some Truth’

Oh My Love

オリジナル(『1988』)では1'13"~1'30"で極性反転している。恐らく部分的に再ミキシングをして差し替えた痕跡だろう。
テープボックスのタイトルは‘ALL MY LOVE’となっており、レコーディング後にタイトル変更されたものと思われる。
‘Oh My Love’
聴き比べ表
IMAGINE 1988
IMAGINE 2000
IMAGINE 2018
Disc 1
0'00"
0'00"

0'00":"four"
0'15"~0'29":ギターの音量を上げている
0'00"

0'00"~:イントロのエコー(ギターのみ)が大きめ
0'00"

0'00"~0'29":イントロ(ギター&ピアノ)が大きめ
0'15"~:ベースが大きめ
0'30"
0'30"
0'30"
0'30"
1'00"
1'00"
1'00"
1'00"
1'30"
1'30"
1'30"
1'30"
2'00"
2'00"
2'00"

2'00":"dreams"の一方をカット
2'00"
2'30"
2'30"
2'30"
2'30"


『IMAGINE 1988』 比較音源(前半)
同(1'13"~)
『IMAGINE 2000』
『IMAGINE 1988』 比較音源 『IMAGINE 2018 Disc 1』
『IMAGINE 2000』 比較音源 『IMAGINE 2018 Disc 1』

vocals only
アカペラのアウトテイクでは恒例となった「ブレス音のカット」が行われている。
オリジナル・ミックス(1988)と比較すると、ジョンは各単語の語尾をハッキリと発音している方のボーカル(最初のガイド・ボーカル)を抑え気味にしていたのが分かる。
『IMAGINE 1988』
0'00"~:演奏
0'30"~:語尾を発音するボーカルが控えめ
比較音源 『IMAGINE 2018 Disc 2』
vocals only

0'30"~:ブレスをカット

take 20
ベーシック・トラックがカウント部分から収録されており、リリース版ではカットされているサビでのニッキー・ホプキンスの演奏も完全に含まれている。
ここでのジョンはガイド・ボーカル(最初のボーカル)のみで、各単語の語尾をハッキリと発音しているのが分かる。
『IMAGINE 2018 Disc 3』
take 20

0'00":"one two three"
0'33"~:ガイド・ボーカルのみ
1'01"~1'30":エレピ
1'58"~2'26":エレピ
2'34"~:ハミング
比較音源 『IMAGINE 1988』
0'30"~:追加録音
0'59"~1'27":エレピをカット
1'55"~2'24":エレピをカット

その他の‘Oh My Love’

How Do You Sleep?

曲紹介
ポールに当てつけた本曲は、ジョンに言わせれば「ディランが‘Like A Rolling Stone’でやったような低俗な曲」である。ポールに対して本当に悪意があったわけではなく、鬱憤をポールに向けて曲を書いたに過ぎない。
この曲のリミックス2作品はステレオ・ミキシングをした時点で失敗なのではないだろうか?
サージェント・ペパーズを連想させるあからさまなSEで始まり、モノ・ミキシングされた本編がビートルズを象徴している。更にビートルズがADTで行っていたように、ベースをWトラック風にすることでターゲットがポールであることを表現している。

なお、サビのリフはオリジナルではベースのみ、ミレニアム・リミックスではギターのみとなっている。
‘How Do You Sleep?’
聴き比べ表
IMAGINE 1988

(MONO)
IMAGINE 2000

(STEREO)
IMAGINE 2018
Disc 1

(STEREO)
0'00"
0'00"

0'00"~0'12":SEだけがステレオ
0'12"~:モノラル
0'12"~:ベースがWトラック風
0'00"

0'12"~:ベースが控えめ
0'00"
0'30"
0'30"

0'56"~1'25":サビのギター・リフをカット
0'30"

0'56"~1'25":サビのベース・リフをカット
0'30"

0'56"~1'25":サビのギター・リフをカット
1'00"
1'00"
1'00"
1'00"
1'30"
1'30"
1'30"
1'30"
2'00"
2'00"

2'10"~2'39":サビのギター・リフをカット
2'00"

2'10"~2'39":サビのベース・リフをカット
2'00"

2'10"~2'39":サビのギター・リフをカット
2'30"
2'30"

2'36":ストリングスの長いスクラッチ音
2'39"~3'16":間奏のスライドギターが控えめ
2'30"
2'30"
3'00"
3'00"

3'16"~3'45":サビのギター・リフをカット
3'00"

3'16"~3'45":サビのベース・リフをカット
3'00"

3'16"~3'45":サビのギター・リフをカット
3'30"
3'30"

3'42":ストリングスの長いスクラッチ音
3'30"
3'30"
4'00"
4'00"
4'00"
4'00"
4'30"
4'30"

4'29"~4'58":サビのギター・リフをカット
4'56":ストリングスの長いスクラッチ音
4'30"

4'29"~4'58":サビのベース・リフをカット
4'30"

4'29"~4'58":サビのギター・リフをカット
5'00"
5'00"
5'00"
5'00"
5'30"
5'30"
5'30"
5'30"


『IMAGINE 1988』 比較音源 『IMAGINE 2000』
『IMAGINE 1988』 比較音源 『IMAGINE 2018 Disc 1』
『IMAGINE 2000』 比較音源 『IMAGINE 2018 Disc 1』

take 11 - extended
ベーシック・トラックとガイド・ボーカルが前後の録音内容と共に収録されている。
ジョンのガイド・ボーカルはほぼリリース版に使われておりファースト・ボーカルという認識の方が正しいようだ。未使用となっている3箇所は比較音源が無くても確認は容易である。
『IMAGINE 1988』
0'00"~0'12":SE
0'12"~:追加演奏とセカンド・ボーカル
比較音源
0'12"~:ベーシック・トラックとガイド・ボーカル
『IMAGINE 2018 Disc 3』
0'00"~0'11":セリフ
0'11"~:エレピが大きめ
3'03":"yah"
3'57"~4'16":"the pretty ~ to my ears"
4'30"~4'35":"oh"
5'30"~:フェードアウト後の録音内容


その他の‘How Do You Sleep?’


How?

ブックレットで解説されている「2'39"の1オクターブ低い"and you've got to be so strong"」が明瞭に聴こえるのは2000年版で、2018年版では"and you've"が小さく、オリジナルでは"and you've"がほぼカットされている。
なお、いずれも後半のフレーズは同じテイクであり、実際のタイムは2'33"であることから別の音源(後述のtake 40)を聴いて解説している可能性が高い。

2018年版のボーカルは大きめになっているが、Aメロ最後の"oh no, oh no"の内、最初の"oh no"の音量を下げている(2回目のAメロは両方)。
‘How?’
聴き比べ表
IMAGINE 1988
IMAGINE 2000
IMAGINE 2018
Disc 1
0'00"
0'00"

0'00"~:ボーカルが小さめ(Wトラック風)
0'00"~:ピアノが大きめ
0'00"

0'00"~:別テイクのボーカルが大きめ
0'00"

0'00"~:ボーカルが大きめ
0'30"
0'30"
0'30"
0'30"

0'36":最初の"Oh no"が小さめ
1'00"
1'00"
1'00"
1'00"

1'22":"Oh no, oh no"が小さめ
1'30"
1'30"
1'30"
1'30"
2'00"
2'00"
2'00"
2'00"

2'21":最初の"Oh no"が小さめ
2'30"
2'30"

2'33":"and you've"をカット
2'30"

2'33":"and you've"が大きめ
2'30"

2'33":"and you've"が小さめ
3'00"
3'00"
3'00"
3'00"

3'20":最初の"Oh no"が小さめ
3'30"
3'30"
3'30"
3'30"


『IMAGINE 1988』 比較音源 『IMAGINE 2000』
『IMAGINE 1988』 比較音源 『IMAGINE 2018 Disc 1』
『IMAGINE 2000』 比較音源 『IMAGINE 2018 Disc 1』

strings only
特に面白いネタがあるわけではなく予想の範囲内の結果です。厳密な同期が難しいので参考程度にしてください。
『IMAGINE 1988』
0'00"~:その他の演奏
比較音源 『IMAGINE 2018 Disc 2』
strings only

take 40
全ての"oh no"が別テイクとなっている他、いくつかのパートの差し替えを確認できる。
『IMAGINE 1988』
0'00"~:その他の演奏
0'00"~:ボーカルにディレイ
0'37"~0'54":"Oh no oh no ~ feeling"が別テイク
1'23"~1'29":"Oh no oh no"が別テイク
2'21"~2'28":"Oh no oh no"が別テイク
2'33":1オクターブ低い"got to be so strong"
3'20"~3'27":"Oh no oh no"が別テイク
比較音源
0'00"~:ベーシック・トラック
『IMAGINE 2018 Disc 3』
take 40
0'00"~0'07":カウント他
0'07"~:ピアノが大きめ
0'43"~1'00":"Oh no oh no ~ feeling"が別テイク
1'29"~1'35":"Oh no oh no"が別テイク
2'27"~2'34":"Oh no oh no"が別テイク
2'39":"and you've got to be so strong"
2'42":ブレス
2'45":長いブレス
3'26"~3'32":"Oh no oh no"が別テイク

その他の‘How?’

Oh Yoko!

曲紹介
ゲットバック・セッション直前(1968/12)のKey Eのピアノ・デモ(Evolution Documentary)として登場し、プラスティック・オノ・バンドとして活動を始めていた1969/5のバハマでのデモ(Key Eb、半音下げチューニングのKey E)で形を成している。
最終的なレコーディングでは更に1音下がって Key C# となっている。

オリジナルのハーモニカが左右に移動するミキシング‘I Am The Walrus’(ステレオ版)のラジオ音声を連想させる。この部分を再現するに当たって、2000年バージョンには編集跡が確認できることから差し替えているのは確実である。また、興味深いことに位相(音のプラス・マイナス)が反転しており、違う機材、あるいは別の作業方法で再作成した可能性が高い。

ベースが強調されるのは後年(2000版、2018版)に共通しているが、その他は全く方針が異なっている。
2000版は別テイクのボーカルをメインとしてリミックス感を強調しているのに対して、2018版は極限までオリジナル(1988版)に倣っている。ボーカルに掛けられたディレイが全く同じである他、間奏のハーモニカのフェードアウト具合、エンディングのハーモニカのPAN具合が完璧に再現されている。フェーダー操作やエフェクト量を模倣する技術が導入されたのでは、と思える仕上がりになっている。
なお、3'22"~3'31"のボーカル追加だけはオリジナルに無い顕著な相違である。
‘Oh Yoko!’
聴き比べ表
IMAGINE 1988
IMAGINE 2000
IMAGINE 2018
Disc 1
0'00"
0'00"

0'00"~:ピアノにディレイ
0'12"~:ボーカルはディレイ音がメイン
0'00"

0'00"~:ベースにエンハンサー
0'00"

0'00"~:ベースにエンハンサー
0'12"~:ボーカルのディレイ音が1988版と完全一致!
0'30"
0'30"
0'30"
0'30"
1'00"
1'00"
1'00"
1'00"
1'30"
1'30"
1'30"
1'30"
2'00"
2'00"
2'00"
2'00"
2'30"
2'30"
2'30"

2'48":編集跡(間奏前の2拍目)
2'30"
3'00"
3'00"

3'07":ハーモニカのフェードアウトが遅い
3'22":編集跡("Oh"の直前の3拍目裏)
3'00"
3'00"

3'07":ハーモニカのフェードアウトが1988版と完全一致!
3'22"~3'31":1988版では未使用のボーカル("oh[G#] Yoko[F#-G#-F#-E#] my love will turn you on")
3'30"
3'30"

3'37":編集跡("Oh"の直前の4拍目)
3'30"

3'41":2拍目のスネアが抜けている
3'30"
4'00"
4'00"
4'00"

4'02":編集跡(ハーモニカが左右に移動するミキシング部分、以降のハーモニカが位相反転!
4'00"


『IMAGINE 1988』 比較音源 『IMAGINE 2000』
『IMAGINE 1988』 比較音源 『IMAGINE 2018 Disc 1』
『IMAGINE 2000』 比較音源 『IMAGINE 2018 Disc 1』

その他の‘Oh Yoko!’