Tokyo Beatles Week 7/8 session #1 / #2

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【TBW 7/8 Session#1:モノってそんなに凄いの?】
当日の前半はサージェント・ペパーズの土台となっている技術に絡めつつ、同期比較で得られる面白ネタを紹介する予定。
ただし内容がぶっ飛び過ぎていて理解が追いつかない可能性があるので、脱線話で混乱させる事がないように概要と脱線ネタは事前に語っておこうと思います。

自己紹介がてらMoneyで同期の説明をした後、Please Please Meの比較結果で2トラック時代とコピペの説明。

ハーモニカはどのように録音されて、どのようにモノとステレオが作られたのか。内容は全曲バイブルにも書いてある通りですが、これはアビイロードのスタッフにも聴いて欲しい音。短い曲なので通しで2回聴いてもらえたら良いかも。最終ヴァースのモヤモヤを取り除いた音はどんな感じなのか、文章では伝えれないニュアンスも分かります。
伝説のファーストアルバムのレコーディング中にジョンに吹いてもらえば良かったのに、と思うくらいステレオの手抜きっぷりが堪能できます。

コピペなんて原始的な作業をいつまでやってたの、って実例でGot To Get You Into My Life。これもネタとしては全曲バイブルに書いてあるが、どうやって確証を得たのか、って比較作業は面白いはず。

ここまでを30分にまとめたい。

【TBW 7/8 Session#1:やってみた編】
同期比較の可能性を確認するために最初に着手したのは結果が分かっているI Want To Hold Your Handのドイツ語版。期待通りの結果と共に明かされていなかったジョージやリンゴの担当も明確になった。

確信が持てたので初期の曲から順次調査。
細かい相違はもちろんの事、
Hold Me Tight、
Can’t Buy Me Love、
Honey Don’t、
Kansas City
とルイソン氏が書いていないビックリ情報が次々と見つかる。しかも後の3つはミキシング中に演奏を加えている。
Hold Me Tightによって、ルイソン氏が「編集バージョン」と書いていたのが全て間違いであることが分かった。ルイソン氏を上回る確定情報が得られる事は驚きだった。
Can’t Buy Me Loveのハイハット追加はルイソン氏がレポートしていなかった。時は20年前のインターネット黎明期でまだSNSが存在しない頃。余りにも驚いたのでアメリカのnewsグループに投稿したが相当バカにされてしまった。エメリックが自伝で公表した時は本当に嬉しかった記憶がある。
Honey Don’tはリンゴが初めてボーカルのアフレコに挑戦したのに、結局タンバリンを持って歌っていることまで判明するというオマケ付き。
Kansas Cityに至っては如何なるリミックスも出来ないのが判明した。

これらから、レコーディングテープは最終形ではなく、モノミックスやステレオミックスを作るための途中段階という認識であることが分かった。

こうなると次なる興味の対象はHelp!
モノとステレオで歌詞が違うと言うのは余りにも有名だった。ところが接続詞が違うとか言う生易しい相違ではなかった。違いが凄過ぎて最初は理解できなかったほどだし、今でも文章で分かりやすく説明することはできない。なので判明した全体像は図示。
(時間があればハリウッドボウルの編集違いも)

そして数年前にiTunesでアウトテイクがリリースされたDo You Want To Know A Secret?
2トラック録音でもボーカルをセンターに置いたリアルステレオが作れる事を実演する。これもアビイロードのスタッフに聴いて欲しい音。

ここまでで更に30分。

【TBW 7/8 Session#1:ハーフスピード録音やADT】
ここからはサージェント・ペパーズまでに使ったレコーディング・テクニックを体感して頂く。文献では目にするが「実際にどういうものか」となると雰囲気で理解している人も多いはず。

まずはハーフスピード録音。
Miseryのピアノ、
A Hard Day’s Nightの間奏、
In My Lifeのピアノ、
いずれもバックの異様に遅い演奏にも注目して欲しい。それを聴きながらテンポを半分にして演奏する難しさ、思っている以上に遅いと感じるはず。
さらに今回気付いたA Hard Day’s Nightの間奏、実際に確かめてみないと通説に流されてしまう。

次にピッチ変更。
レコードに合わせて楽器を弾いていると違和感を感じる曲がある。REVOLVER辺りからピッチ変更をしていると思っておられる方が多いかも知れないが、それは微調整を行う装置が作られた時期。
Hold Me Tight(テンポアップ)、
Ticket to Ride(少しヘヴィに)、
I’m Looking Through You(テンポアップ)、
を実際の演奏速度と聴き比べて効果を確認して頂く。

そして分かっているようで得体の知れないADT。もちろん実物は無いが、ADTが作り出した音から「何物か?」を具体的に理解して頂く。
まず基本機能はI’m Only Sleepingの使い方を例に挙げる。REVOLVERではこの使い方に若干の試行錯誤が加えられている。
次にWhile My Guitar Gently Weepsで使った「オシレーターを操作する」の具体例として効果がより分かりやすいWild Honey Pieでの使用例を示す。この曲もまた同じようなリミックスができない曲でもある。
ついでに「ビートルズはADTをいつまで使っていたのか」の例としてSomethingを1+バージョンと比較する。

もう一つ、逆回転。
キッカケとなったRainのボーカルを実際に聴いて頂いた後、I’m Only Sleepingのギター。
こちらは実際に演奏を逆回転しながらギターの録音をしている。バックのウネウネした音を聴きながらギターを弾く難易度の高さを体感して欲しい。

この分量で30分は厳しいか???

【TBW 7/8 Session#1:複数のテイクを合わせる】
基本技術を押さえた所でいよいよ本題サージェント・ペパーズであるが、最後に昨今のリミックス方法の説明を加えておく必要がある。
Eleanor Rigbyを例に複数のテイクを利用して演奏の鮮度を上げる方法の説明と、Songtrackでの失敗、1+での改善を実演する。

Songtrackの話は20年前なので時効だと思うが、発売前の調査を打診された。1日、指定された場所にパソコンを持ち込んで調べても良いという条件だったが、泣く泣く諦めてお断りした。当時は1曲調べるのに1週間くらい要していたので、1日では何の成果も得られない事が明白だったからだ。
いざ発売されて調べてみたら、正確には、調べようとしたら、複数テイクの同期がボロボロで楽器ごとに、あるいはフレーズ毎にズレまくっていた。手作業で雑にコピペ編集したっぽい。何の結果も得られないどころか、音が良い以外の褒め言葉が無い。基本的に頼まれたら断らない方針だが、この時ばかりは断って良かったと思った。

今回のリミックスは幸いにもこの苦労をしなくて済んだ。特徴を検証するには十分な精度で同期されている。
ということで以降から本題。

【TBW 7/8 Session#2:サージェント・ペパーズ・アルバム】
ここからは7/9も同じ。

まずは犬笛。これは別扱いで最初に取り上げておこう。
ちょっとした実験と、聴こえない人も聴いてしまおうと言う試み。
今回の犬笛というかモスキート音がウルサイという人の気持ちが理解できるはず。

いよいよStrawberry Fields Forever。
この曲について語っていたらキリが無いが、幸いにも別日に野咲さんが講演されるという事なので、私はリミックスの特徴に専念。そう思ってモノとステレオの違いをピックアップしたら重要なポイントだけで5箇所も。
編集をモノに合わせる所などは驚くほど良く出来ていると思うが、1点だけ不満がある。父マーティンが力を入れていた箇所だけにこの点だけは残念なところ。
リミックスではどうなっているのかに焦点を当てて解説しますが、若干長めになる事を計算しつつもテンポ良く進めなければ!

次いでPenny Lane。
ステレオバージョンでフルートがフェードインする雰囲気はスピーカー環境では分かりにくいのでサラッと触れるだけにして、ピアノがフェードインする様子を確認して頂きます。
そしてキーの問題。CとBで迷っていた点と、ピッコロトランペットの関係。そのピッコロトランペットに掛けられたADTがリミックスではどうなっているのか。

まずタイトル曲。
4トラックの中、ひとつは効果音という録音内容なので余り差が出ないはずであるが、リードギターとホルンの扱いに特徴が出ている。その辺りを中心に。
ところで7/12発売のMUSIC LIFEにもこの内容を書いているが、昨今はJASRACの対応が厳しくなったそうで、「この曲のこの辺り」という指標として歌詞を引用する事すら難しくなった。これだと歌詞の意味を雑誌で論評するのは不可能なったのではと懸念するが、ネット上で引用されている方もご注意を。
とりあえず来られた方はMUSIC LIFEを読んだ時に、「あー、あの場所のあの音の事か」と理解してもらえるはず。

With A Little Help From My Friendsは一聴しただけでリンゴに胡麻を擦ったなと分かるが、その陰に隠れてしまったベースに焦点を当てます。それとコーラスの録音方法、ダブルトラックの考え方がよく表れています。
最後に追加されたキックについて。これについてはスピーカー環境では上手く再現できない可能性もあるのですが、文章では表現し難い詳細をお伝えしておこうと思います。

Lucy In The Sky With Diamonds
いくつもポイントがあるが、まずは速度変更して録音したボーカルを2種類の速度で確認。次いで、ミキシング時にはベースにもADTをかけている事をリミックスとの比較で確認。
そして同梱されているリミックスモノ11も比較。ミキシング作業でADTをどうのように使ったかを体感して頂けるはず。一度は派手にベースにADTを使ったものの最終的にはボーカルに重点を置くという「揺り戻し」があったようです。リミックスモノはアウトテイクとしても出回らないですが、当時の作業を知る上ではレコーディングテープと同等に重要なのが分かります。

Getting Betterはモノとステレオの相違がほとんど無い反面、リミックスは分かりやすい音像の変更で敢えて説明を加える程ではない。一方、アウトテイクとして収録された第12テイクはリリースバージョンとの差分が明らかとなって面白い。ベースの相違やタンブーラの扱いがスピーカー環境でも分かりやすいのでこれをメインに聴いて頂く。

Fixing A Holeはリミックスによって2つのリズムトラックが明確になっている。これらがモノとステレオではどのように扱われていたかを解説します。また第1テイクが公開されたことでギターキッズの永年の謎も明確になった。キーGでの演奏が何故キーFになっているのか、シンセサイザー世代には馴染みの無い移調楽器についても補足しておきます。

She’s Leaving Home
モノとステレオを比較して、モノではイントロのハープに2回もADTがつかわれている事を示します。このやり過ぎな感じをポールは好ましく思っていなかったのでしょう。さらにボーカルに掛けられたエコー(エコーチェンバーによる効果)も他の曲より分かりやすいと思うので、ADTとの違いを体感して頂ければと思います。
そしてマーティンが検討したもう一つの編集箇所、実際には変更していないのに何故わかるのかという推測理由も併せて解説します。

Being For The Benefit Of Mr. Kite!
本来なら第7テイクとの差分を示したい所ですが、残念ながら全く違うので意味無し。考えられる仮説はある録音方法、これについて少し触れます。
ハーフスピードで録音した間奏を聴き、ポールがギターを意外な方法で弾いているのを確認して頂き、他にもハーフスピードを使ったエンディング部分も紹介します。最も違う効果音に関して、モノ、ステレオ、リミックスの違いを確認した後、ジャイルズが見落としたと思われる最大かつ重要な相違を解説します。

Within You Without You
リミックスではほぼ完璧にモノに合わせてきている。その注目点として先ずはピッチの話。次いで効果音、特にエンディングは凄い。そして1点だけ残念な間奏のADTについて。
最後に第1テイクを使った遊びをザックリと。

When I’m 64
リミックスのメインはピッチの訂正でしょう。元々エンディングのピアノ以外に大きな相違は無いので第2テイクとモノの差分を聴いて頂きます。途中に消えたキックがあるので、詳細は不明だが紹介しておきます。またリミックスではベルのタイミングを補正したと思われる箇所があるので、併せて解説しておきます。

Lovely Rita
第9テイクとモノの比較が面白いのでこれを中心に。ただし、ボーカルを録音した速度、間奏のピアノ、エンディングの修正方法などは注目ポイントとして解説します。

Good Morning Good Morning
何と言っても本アルバムでも一、二を争うほど労力をかけた箇所の解説。エメリック本人が忘れてしまっているため(笑)情報として世に出ておらず、ジャイルズも気付いてないポイントなので出来るだけ丁寧に。
ギターのADT、モノに近づけたリミックスのポイント、ドイツ語の話、とこの曲はネタの宝庫だが、第8テイクとモノの同期音源は面白いので聴いて欲しいところ。

Sgt. Pepper’s Reprise
一応は基本情報として雌鳥とギターの繋ぎ、モノでイントロが長い理由、効果音の使い方を押さえておく。

A Day In The Life
まずはイントロのクロスフェードの特徴。原因不明だがリミックスでは消えているフロアタムも紹介しておきます。
そしてメインにするのはオーケストラ。2本のテープに録音されているオーケストラの役割、リミックスが最善であるポイントを解説します。

終わり

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