12弦ギター

12弦ギターはその革新的な構造によるサウンド面に注目されがちだが、ジョージにとって諸刃の剣だった。Please Please Me、From Me To Youを筆頭にThis Boyまでのジョージにはオクターブ奏法が最大のギターテクニックだったのは明らかである。その1オクターブ差の音を簡単に出せる12弦ギターに一瞬で魅了されたであろうことは容易に想像できる。一方で、オクターブ奏法は誰でも簡単にできる技になってしまい、A Hard Day’s Night以降は使わなくなってしまった。
Every Little Thingではジョンもリッケンバッカー325/12を使うようになり、ギタリスト間の差が無くなっていることを示した。ちなみにこの時期は12弦ギターを使ったかどうか判断に悩む曲が多い。その場合は3弦で弾いている音を確認するのが確実である。Every Little Thingのリフやサビのコード音は3弦の音に1オクターブ上の音が重なっている。かたや、Words Of Loveは12弦ギターが使われているという通説があるが、アルペジオで3弦を弾く箇所でもオクターブ上の音は聴こえない。
カントリー系の曲では依然として輝きをみせるが、ジョンとポールが創るロック系の曲ではもはやポールのテクニックの方が上を行っていた。普通ならここでギタリストとして終わってしまうのだが、インド音楽に出会うことに運の良さを感じる。シタールの練習が結果的にフィンガリングの向上や新たなフレーズの引き出しを得ることとなり、結果的にはリードギタリストに返り咲いたのだから。

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