Let It Be

バージョン違いの相違はほぼ解っていても実際に同期させて聴いてみると予想以上に面白い曲の典型である。どこを切り出すか悩ましいが余りにも解りやすいギターソロ以外を選んでみた。リードギターの相違という視点を除いてみると、プロデューサーの相違が見えてくる。

(左がシングル、右がアルバム)
最初のサビ
ピアノとボーカルで静かに始まり(実はSIRマーティンはピアノにもエコーを付けているがここでは省略)最初のサビでコーラスが加わる。両者に共通した小さめのコーラスから始まるが、SIRマーティンはその下にハーモニーを付けるコーラスを大きめにフェードインさせている。コーラストラックは2トラックあると思うが、8トラックレコーディングとなると空きスペースも多く様々な音が詰め込まれているため、全曲バイブルでは主要な音を中心に列挙している(この辺りはご了承頂きたいところです)。

ハイハットのリピートエコー
ヴァースに戻ってハイハットが加わる。リンゴが映画の中でペダルを踏んでいるのがアップになるシーンでお馴染みの箇所だ。ここでSIRマーティンは普通のエコーを掛け、コーラスで盛り上がった後を再び静かな演奏に戻している。一方のスペクターは静かなコーラスの次にやや派手めなリピートエコーで徐々に盛り上げていく感じにしている。その次に入ってくるベースもSIRマーティンは小さめだが、スペクターは大きめ、と各々の方針が異なっている印象がある。

間奏前のサビ
ここでSIRマーティンはせっかく追加したブラスは控えめにバンド演奏中心で間奏前の盛り上がりを迎える。方やスペクターはヴァースで使っていたリピートエコーをサビでも使ったまま、更に迫力を増すようなブラスの入れ方になっており、両者の相違が最高潮に達する。

追加ドラムス
リードギターを追加した際、リンゴがドラムスを追加しているが、そのリードギターのトラック自体の使い方が違っているため、両バージョンで追加ドラムスの音量差が生じている。各拍の頭で叩いているのがオリジナル演奏で、その隙間を埋めるようなフィルインが追加部分である。

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