15. Strawberry Fields Foreverのステレオバージョンを作ったのは誰?

Living is easy with eyes closed
Misunderstanding all you see

全ての出来事は相対的なので、各自の立場で見え方は違います。遠くから眺めて誤解し合うのがネット社会と思うと妙に深い歌詞に思えてきます。

ある程度の年齢になると「実は真相はコレコレでした。」という情報が鬱陶しくなります。ジョンのファンですら平和を愛さないという不思議な叩き合う世界に巻き込まれずに済んでいるのは幸いです(苦笑)。

それはさておき一般的にはリアルタイム世代と後追い世代に分かれますが、ビートルズの場合はモノラルとステレオが更に複雑な世代間ギャップを生んで混乱させてくれます。
最初に聴いた音が基準になってしまうのは致し方ない人間の性でしょう。

ザックリと分類してみます。

リアルタイム世代がモノラル音源で育った一方、解散直後の70年代にはステレオ音源を中心に流通していました。
後追い世代は皆がステレオ世代となりますが、90年前後のCD黎明期世代は初期4作品だけモノラルというややこしい状況となりました。そして2009年にはモノラルとステレオの全作品がリリースされ、今やリミックス世代まで生まれています。

また、映画『A HARD DAY‘S NIGHT』をオリジナル音声で観れるようになったのは2014年、映画『HELP!』は今だにステレオ音源に差し替えられものしか公開されていません。

これを踏まえて世代間ギャップを理解しておくべきでしょう。オリジナルに触れていたリアルタイム世代以外は皆がほぼ同レベル、商業的に踊らされた者同士です。

要は後追い世代は歴の長さよりもこの4〜5年で新しい情報をチェックしたかどうかが重要という事です。若い世代が臆する必要はありません。

長い無駄話でしたが、ようやく本題です。

昨今は当たり前になってきたリミックスですが、80年代まではオリジナル音源が神聖化されていて手を加えるのは許されない風潮でした。
ところがマーク・ルウィソーン(ルイソンの方が馴染みがあるかも)さんがこの常識をひっくり返す事実を明らかにしました。

ポールが70年4月に脱退を発表し、その年末にはビートルズの正式解散要求を英国高等裁判所に提出しています。
ビートルズの活動は完全に無くなりましたが、西ドイツ盤『MAGICAL MYSTERY TOUR』をリリースするために不足していた3曲のステレオ・バージョンが作成されていたのです。
1971年9月30日 Penny Lane
1971年10月22日 Baby You’re A Rich Man
1971年10月26日 Strawberry Fields Forever

これらは間違いなく今で言うリミックスですが、作成者不明でありながら誰に否定される事も無くCD化の時に正式バージョンとして採用されています。

実際にはStrawberry Fields Foreverのステレオバージョンは66年に作成済みでアメリカ盤『MAGICAL MYSTERY TOUR』(日本でもこれをリリース)に収録されていました。現行バージョンとは随所で雰囲気が違っています。
ただし残念ながらCD時代にこちらが葬られてしまいました。

正に知らぬが仏です。